東京マンション
東京マンション
場所の特性
この住戸の特徴である広いフロンテージ（１２．６ｍ）を生かし細長い距離のある広がりをこの住宅の特徴に代えようと考えました。それら土間（巾２．２ｍ）と広縁(巾１．５ｍ)は占有と共有、場合によりどちらにもシフトできる曖昧な場所を考えました。「エ」形の平面は、土間と広縁そして広間が連続し、そのなかで見え隠れをつくり、そして行き止まりのない回遊性は逃げ場を担保します。
距離
11.8ｍの廊下でつながる２世帯住居を計画しました。それだけではないのでしょうがそれぞれの関係性はうまくいっています。距離に答えが隠されているようにも思えます。ひとつに繋がる長い距離において「つかずはなれず」のフランクな親子関係を展開します。しかしながら異例があった場合は親のしつけとして面と向かいコミットする事も必要です。
アクティビティ
個室では最低限の家具と道具にて、低く暮らして欲しいと考えワードローブ収納は土間に設えました。
半透明ガラス壁を通して生活のアクティビティが曖昧なシルエットとなり映し出されます。
個室とバスルームの土間と広縁に接するそれぞれ2枚のドアは、フレキシブルでさまざまなアクティビティを担保します。光・音・匂い・空気・動線などドアにより、開放／閉鎖が自由選択できます。
２つのゲストルーム
土間の一部に祖父祖母や友人に泊っていただくゲストルームは、1枚の大きい引戸と3枚の引込戸により間仕切られ部屋となります。もうひとつは、ガラス壁に内蔵された引戸により子供室に連続する兄弟のシェアスペースや友達が泊れるゲストルームに変化します。友達同士の情報交換、年の違う友達にいろいろ教えてもらう大切な場所です。
ホームパーティー
この住戸の高層環境を利用し夜、部屋のあかりをセーブし夜景を浮かび上がらせ眺望の良い部屋はファンタスティックなおもむきに包まれ、ホームシアターはホームパーティーをバックアップします。瞬間調光ガラスをサッシにフィックスしホームシアタープロジェクターのスクリーンと変化させます。
熱環境
距離の長い部屋を均一に冷暖房するには、床暖房とダクト方式よる空調システムの組合せを採用しました。
床はインド産ロイヤルホワイト、大理石のような模様が特徴の御影石です。夏は、ひやりとした心地よさ冬は、床暖房による暖かさ一年を通して気持ちの良さが、バックアップされた土間や広間は活発なアクティビティを引き出します。
光環境
共有スペースの天井はアルミHL仕上げです外光を受け白く輝く躍動感が部屋を包み込みます。
土間の間接照明は、色温度２５００Kの１０Wミニキセノンランプ、広間と広縁は３０５０Kのロ―ボルトハロゲンランプ、個室は３５００K温白色のFDLランプです。季節により色温度の異なるランプを取り換えると生活に心地良さを与えます。
音環境
階下への騒音レベルは、フリーフロア床下地システム採用しスラブ厚さ２３０ｍｍの場合軽量床衝撃音LL－４０のデータを得ることが出来ます。テンパーライトドアの遮音性能は良くありません。音が漏れることによる気使いを喚起させ又気配を優先させました
キッチン
キッチンカウンターの奥行き800mm吊戸棚の奥行き５５０ｍｍ、収納能力と作業性を考慮しました。前面の横スリットガラスは、南よりの光を取り入れます。そしてキッチンは４枚の引戸の開閉により機能させます
建具
木製引戸に、乳半のポリエステルフィルムを貼り付けφ１５ｍｍカラーガラス玉を、他方より押し込み表面のフィルムにふくらみを与えた仕上げです。表裏が異なる仕上げとなり、光の方向により微妙な色や光の変化を楽しむ建具です。
